清楚は無疵をいうんじゃない

なによりもまず詩人でありたい、だれよりも無名として書きたい。

初めて中原中也記念館に行きました

 小5から中原中也が好きです。ほんとうにぼくを文学の沼に引きずりおろしたのはほかでもない中也、罪な男なことです...(長谷川泰子を沼らせることはできなかったが)。

 3月に、中原中也記念館に行ってきたんです。
 しかも初!

 福岡から山口なんでそんなに遠くはないんですけど、つねにお金ないし、方向音痴レベル宇宙級(帰りはしっかり2時間以上迷いました)、公共交通機関を利用するスペックが脳内システムにくみこまれていないので(乗り間違えまくる、本読んでたら気付くと駅過ぎてる)、怖がっていままで行かなかったのです。

 日帰りでしたが、実は一人旅行の初めてでもあります!基本夜以外家から出たくないので!

 今回のブログは、遠くてなかなかいけない方にも中原中也記念館への旅行気分を味わってほしいので、写真を順番にみせますね~。


   ──中原中也記念館初来館の一日♪──

 朝!...起きない。昼前に起きて、躁か鬱かふつうかを判断。一応、安定剤を飲んで準備しました。
 最近はスポーツウェアにはまっているので、上はこれ。

XLでダボダボに着ている

 

 セカンドストリートでスポーツウェアを探すときは、ファッションコーナーなんかに行ってはいけません!そこはそれなりに最近のナイキやアディダスのファッショナブルなやつが、5千円とかの高額で売られています!
 ただのブランドセレクトの視点でピックアップしてるので、高いです!

 おすすめは、ボールやハイキング用品なんかが打ってあるスポーツ用品コーナー~
 90sのリーボックくらいなら平気でこっちのほうが見付かるし、たとえばこれは900円でした。500円とかで、デザインかわいいやつも売ってますよ。

 グレーのリーバイスシルバータブのルーズを高めに一回ロールアップし、しゅっとしたヒールブーツを履いて(歩き回ってたら足に激痛、帰りは変な歩き方になったので、旅行の時にヒールブーツはやめようね)、レイダースのでっかいバッグをしょって出陣!
 その日、ぼくはストリートキッズ(30歳)でした。

 家の最寄り駅で電車を待っているときもわくわく。
 携えた本は「中原中也詩集」太宰治の「斜陽」坂口安吾「風と光と二十の私と・いずこへ」、中也訳の「ランボオ詩集」、すべて岩波文庫です。中原中也好きそうすぎるよね???

 電車でまず小倉駅まで行きました。ぼくは電車では「席を譲る」のも嫌いだし「席を譲らない」は道徳的にダメな行為だと思っているので、よっぽど空いていないと座りません。立って中也を読んだり、いつもとちがう風景を窓から眺めたり...。

 小倉駅から下関駅に行くために乗り換えをし、下関駅では憧れの途中下車。旅行気分でした!(公共交通機関の逆天才がここまでミスなしだったの褒めてください)

 下関で途中下車した理由は、港町が好きだから。港で座って足をぶらぶらさせながら、中也を読む幸福。また見つけた!なにがだ?幸福。

 

なんの詩かわからないくらい白ぼけしている

 港の景色はこんな感じ。

綺麗

 

そして机が汚い


 下関から新山口駅へ。
 これが長くて、2時間かかりました。行きはドキドキで「斜陽」を読んでいました。帰りは寝ていました。

 新山口駅を降り、小型の電車に乗り、たどり着いたのが...

おまえだ!

湯田温泉駅ではこんなパネルが。ちいさい中也を指で潰そうとするぼく

湯田温泉駅近くにはキツネのおっきな像があります

 もう中原中也に会えそうですね!
 まずメモした地図通りに行くと迷子になって、慌てて駅まで戻りました。もうすこしで駅に戻ることすらできなかったです。
 つぎに駅前の地図を頭に叩き込み、ふたたび迷子。優しい女性に道を教えてもらえ、ドキドキしながら歩いていくと....

ここが中原中也記念館だ!!!

 こぢんまりとして、白い瀟洒な建物です。中也も好みそうですね。元々、中原家の実家があったところだそうです。

 足を踏み入れる瞬間のお写真。

推しに会えるぎゃああああ


 中の写真は撮らなかったです。
 記念館では、まず素敵な受付の女性が優しく案内してくれます。高齢者の方は無料なので、湯田温泉に観光で来た老人の方々が多かったですね。一組、女子大生かな?みたいな方がいて、あとは老人の方々だけでした。

 記念館には直筆の原稿があり、そのたびにぼくは涙を出してしまいました。中也の息遣い、呼吸音、筆致、くるしみ、そんなものを想像しました。
 ぼくは中原中也が生きていたという当然の事実に、茫然とする思いでした。
 中也は、やはり、努力家でした。詩人であるという宿命を引き受け、それに付随する苦しみを責任をもって苦しみ、そのほかを台無しにしちまいました(とくに人間関係)。中也は、そんな中也は、生きていました。

 ああおまえは何をしてきたのかと、吹き来る風が私にいう

 
「帰郷」というかれの詩です。

 記念館にはパソコンと中也関連の書物がたくさんある部屋があり、週5ここで過ごしたいと思いました。
 当時の雑誌等もたくさんあり、愛読者にはたまらない場所でした。

 お土産は迷っていましたが、直筆に惹かれて、直筆プリントマグネットと帽子を被った有名な写真のポストカードにしました!

指輪もかわいい


 記念館から駅までは2時間以上迷い、帰りは夜遅くなって、小倉で海鮮丼を食べました。このへんに旅行に来たなら海鮮食べたいよね。

 家に帰って足を見ると血が出ていました!歩き回る日にヒールブーツはダメです!

 とっても楽しい一日でした。また絶対行きます!
 中原中也記念館の存在のありのままをありがとうです。